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MAMI SUZU et IZAKI TETSUYA

UNE INTERVIEW EXCLUSIVE réalisée par daNIel en avril 2007.

TRADUCTION JAPONAISE : HARUMI SUZUKI

西品川にて。遠くにくっきりと浮かび上がるのは品川駅周辺のビル群。そんな中、社会福祉法人トット基金に拠点を置く「日本ろう者劇団」は、緑多い静かな路地にひっそりとたたずんでいます。

今回の通訳でお世話になったのは小池さんです。日本式手話からフランス語へ素晴しい通訳をして頂きました。

天候に恵まれたある美しい午後、ろう者でありながら役者として表現し続ける、鈴 まみさんと井崎 哲也さんが私の質問へ手話で答えて下さいました。2人の羽ばたくように旋回するように動き続ける手と、茶目っ気たっぷりの目線が印象的でした。

MAMI SUZU ET IZAKI TETSUYA

Photo : COPYRIGHT © JAPAN DEAF THEATER OF TOKYO

ダニエル(以下D):今日はお2人同時にインタビューです(笑)。まず、まみさんから手話で自己紹介をお願い出来ますか?

まみ:私は鈴まみ、と言います。アーティスト、そして役者として現在狂言を演じています。またプロダクションマネージャーも務めています。

aniel:いつ頃から俳優になりたいと思い、そして決断をしましたか?

まみ:小学生の時すでに本を読むことが大好きでした。夢が広がる感じがして。さすがにその時はまだ俳優になりたいなんて思っていませんでしたが、夢は沢山ありました。正確に何になりたいという思いはなかったのですが、いつも私の頭の中は夢で一杯でした。ある日、演劇研究会に参加した事がきっかけで演劇に出会い、その時俳優になろうと決意したんです。その後、他の俳優さんに出会い色々な作品を観劇したりするようになりました。

aniel:では、井崎さんも同じく自己紹介をお願い出来ますか?

井崎:井崎哲也です。哲也は同じ読みで徹夜、とも書きますね(笑)。手で鳥の動きをしながら自己紹介しようと思います。

aniel:なぜ鳥なのですか?鳥が自分に一番合うからですか?

井崎:私は鳥がとても好きで鳥の真似をします。私は小学生のとき聾学校に通っていたのですが、その時代手話を学ぶ事は禁止されていたんですよ!ただひたすら声を真似して訓練するのみでした。

今でも良く覚えているのですが、ある日クラスの担任に皆の前で声を出して自己紹介するように言われ、嫌だったので反抗して、自分のありのままを、手や身体をつかったしぐさで自己紹介をしたんです。そうしたらクラス中の喝采を受けてしまって!
もう少し大人になってから、テレビでパントマイムのマルセル・マルソーを見たときの事も覚えています。とても魅了されました。

MAMI SUZU ET IZAKI TETSUYA

Photo : COPYRIGHT © JAPAN DEAF THEATER OF TOKYO

aniel :井崎さん、あなたはろう者であったり俳優である事で、他の多くの人たちとは違う人生を歩んでいると感じますか?自分と他の人との一番の違いは何です か?

井崎:他の人と違う事は何よりも大切ですね、私はアーティストですから。

まみ:私は会社に勤めていた時、耳の聞こえる人と一緒に仕事をした事があります。彼らと様々なコミュニケーションを取る事が可能でしたが、そうしいているうちに時々、自分と周りの人との違いを感じるようになりました。

aniel:それは、ろう者(あなた)とそうでない者がコミュニケーションを取る事から感じたのですか、それともアーティストとそうでない人との違いからですか?

まみ:たぶん、その両方だと思います。

MAMI SUZU ET IZAKI TETSUYA

Photo : COPYRIGHT © JAPAN DEAF THEATER OF TOKYO

aniel :では、あなた達のようにろう者でありながらアーティストである人々と、アーティストではないろう者の人々には何か違いがあると思いますか?

井崎:根本的に違いますよ!(アーティストであれば)他の世界でのコミュニケーションの可能性が広がります。

aniel:耳の聞こえるアーティストも実は同じ問題を抱えているかもしれませんね。違う世界の人とはなかなかうまくいかない。

まみ:難しい問題ですが、新しい世界を知る事は1つのチャンスでもありますよね!人はみな違った観点や考えを持っていて、コミュニケーションを取ることで違いを知る事が出来る、そこから多くのことを学ぶわけですから。

井崎:実は、アーティスト同士だと耳が聞こえても聞こえなくても関係ないと言うか、何も問題なくコミュニケーションが取れるんですよ。ところがアーティストでない人とはなんだかとても難しい。一生懸命説明しないと伝わらない。自然になれないな、と感じる事がよくあります。

まみ:あ~私も全く同じように感じます!

MAMI SUZU ET IZAKI TETSUYA

Photo : COPYRIGHT © JAPAN DEAF THEATER OF TOKYO

aniel :さて、私のインタビューのテーマに「夢と秘密」というのがあるのですが、人はそれぞれ心の奥深くにそれらを持っていますよね。全ての地球上の人間はみんな、実現するべき夢があって生まれてきたと思いますか?

まみ:はい。私は全ての人はみな夢を持っていると思います。

井崎:私は寝ている時、夢の中では耳の聞こえる人たちと実に簡単にコミュニケーションしているんです。もしかしたら夢を見ている間に舞台を演じているのかもしれないな。

aniel :みんなとコミュニケーション出来る事、それはあなたの夢ですか?

井崎:そうかもしれないですね。全ての人とスムーズにコミュニケーションを取る事、それが私の夢かもしれません。

aniel :何故、多くの人は自身の夢を実現出来ず、どこか妥協して生きているのでしょう。お2人はどう思われますか?

まみ:よくわからないけれど…「したい」事と「出来る」事の間には、やはり違いがあるような気がします。

..............MAMI SUZU

aniel :興味深いご意見です。フランスではこんなことわざがありますよ。「したければ、出来る」。同意されませんか?

井崎:日本だと「好きこそ物の上手なれ」って言いますね。

aniel :同じですね!好きな事を欲する気持ちがあれば道は開ける、という事です
ね。でも時に、夢をかなえるために人生そのものの軌道修正をする場合もありますね。それには大きなリスクを伴う事もありますね。リスクを恐れてしまうことも…。お2人はどうですか?そのような経験がありますか?

まみ:私はリスクを伴っても、自分のしたい事を全て挑戦してみたい性格です ね。

井崎:人生は山を登るようなものです。山頂で美しい花を見つけた時、それが何よりも美しいと感じるのは到着するまでの苦労があるからなのです。いつも頂上しかなかったら興味が湧きませんね。谷があってこその喜びなのです。

aniel :という事は、いつも苦労だけでは人生は辛すぎて続けられない、という意味にもなりますね。ほっとする時間や気持ちがいいと感じる事、美しい花をどこで見つけられるか…それも大事だという事ですね。井崎さんにとって、幸せの花はどんな時に現れますか?

井崎:それは終演後お客様の拍手を聞いた時ですね!

まみ:わたしもです!

aniel :という事は、やはり演じる事が2人にとって喜びだという事ですね。

まみ:狂言を演じるってとても難しいんです。リハーサルの数は多いし師匠の指示もレベルが高くて。でも達成したときは、例えそれがただ1人のお客様の拍手であっても嬉しいと感じるはずです。

井崎:先ほどの山登りの話に戻りますが、山は何も孤独に1人で登るだけではないですね。グループ活動という事もある。様々な葛藤を乗り越えて、まるで劇団の皆でゴールに辿りつくように…。

..............IZAKI TETSUYA

aniel :孤独は好きですか?多くの人にとって孤独とは恐ろしいものです。例えば、帰宅して何も聞こえないと寂しいからすぐにテレビやラジオを付けたり…。

井崎:私は1人暮らしではないし、友達といるのも好きです。でも、だからこそ時々1人になる時間も好きになれるのかもしれない。1人でいる時間は自由になれるんです。

(と、鳥のポーズ)

まみ:私も1人の時間、好きですよ。1人でいる時は心地よいです。

井崎:東京はとにかく人が多すぎます。家族で住むには家は狭いし。

aniel :フランスでは、昔からろう者のための訓練機関がとても少なく、仕事はいつも大体同じ内容しかありません。例えば手作業で行う単調な作業とか…。最近は少し変わったとも聞きますが。日本ではどうですか?

井崎:仕事の選択は広がっているようです。身障者を雇う企業も出てきました。法律で定められているから、なのですけどね。

aniel :フランスと同じですね。法律で義務化する。でも、多くの企業は身障者を雇うよりも国に罰金を支払う方を好む傾向があります。
お2人は今まで、自分の好きではない仕事をしなくてはならない事を恐れた事がありますか?

まみ:私は生きるためなら何でもしますよ!

aniel:それに喜びを感じなくても…ずっと長い間続けられますか?

まみ:ずっとは続けられません(笑)。私は今まで好きでない事を長い間強制された事がないので、これについては何も言えませんね。

井崎:まみさんは演劇に情熱を注いでいるから、夢の実現のためなら何でも出来るでしょう!

aniel :アーティストは毎日決まったリズムで働くサラリーマンよりも自由だと思いますか?自由に人生を選択し、自由な考え方で生きる…

井崎:私は演じる時、まず自分の役・セリフを覚えます。それは自分に課した義務であり守るべき事です。でも1度覚えてしまえば後は自由。自分に合った表現を見つける作業に入ります。でも、これは演劇の世界だけの話であって現実の世界はそうは行きませんね。

aniel :アーティストたちは現実の世界でも自由かと思っていましたが?

井崎:現実はそうもいきませんよ(笑)。家族もいるから責任だってあるし!

(井崎:鳥が飛び立つマネ)

aniel :なるほど、それで鳥になりたいってわけですね(笑)!

まみ:自由という言葉は人それぞれにとって意味が違うでしょうね。
沢山の意味があるように思います。

aniel :では、まみさんにとっての自由とは?そして不自由とはなんですか?

まみ:(紙に「不自由の中の自由もある」と書く)

..............

aniel :あなたはアーティストとして、人々にもっと幸せを感じてもらうために、やるべき事があると思いますか?

まみ:アーティストは、夢とやる気のエネルギーを与えるべき存在だと思いま す!

井崎:アーティストは、人々を夢の国へ誘う存在でもあるべきですね!

aniel:では最後に一番難しい質問ですよ!

(怖がるしぐさをする、まみと井崎)

aniel :お2人は現在東京都内にお住まいですが、地方や田舎で生活してみたいと思いませんか?

井崎:私は小さな村の生まれで、父は農家を営んでいました。都会に出たかったので15歳の時から東京に移りました。私には東京が一番合うと思います。

まみ:私は東京のすぐ近くで生まれたので、井崎さんとは反対ですね。最近田舎に住んでみたいと思う事があります。でも東京はやっぱり便利で住みやすいところです。

aniel :わかります。フランスで生活するろう者も同じような感じです。大都市の方が仲間や活動場所が多いからですね。田舎では孤独になってしまうでしょう。

井崎:私は実家に帰ると1週間しかいられませんよ。それが耐えられる限界 です!

MAMI SUZU ET IZAKI TETSUYA

Photo : COPYRIGHT © JAPAN DEAF THEATER OF TOKYO

L'INTERVIEW DE MAMI SUZU ET IZAKI S'EST DEROULEE EN AVRIL 2007 DANS LES LOCAUX DE LA FONDATION TOTTO A TOKYO EN PRESENCE DE MELLE NORIKO KOIKE INTERPRETE.

KATATSUMURI REMERCIE BEAUCOUP LES MEMBRES DU JAPAN DEAF THEATER ET DE LA FONDATION TOTTO POUR LEUR ACCUEIL TRES CHALEUREUX ET LEUR COLLABORATION SYMPATHIQUE.

LES PHOTOS DE KYOGEN ONT ETE PUBLIEES AVEC L'AIMABLE AUTORISATION DU JAPAN DEAF THEATER OF TOKYO - ALL RIGHTS RESERVED.

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